望月ファームの粉末煎茶は「抹茶」と見た目が似ていますが「粉末茶」に分類されます。
粉末状のお茶は、「抹茶」と「粉末茶」以外にも「インスタントティー」(インスタント茶)があります。
「抹茶」と「粉末茶」は茶葉を茶臼や粉砕機でなどで粉砕したものですが、「インスタントティー」は、緑茶から抽出された水溶性固形成分を粉末状又は粒状にしたものです。
出典: 公益社団法人日本茶業中央会「緑茶の表示基準」2019年3月
(https://www.nihon-cha.or.jp/pdf/hyoujikijyun.pdf)
粉末煎茶は、急須で淹れるお茶の代わりとして飲めるだけではなく、濃いお茶、粉末煎茶ミルク、粉末煎茶はちみつミルク、粉末煎茶玄米茶、焼酎のお茶割りなども楽しむことができます。
※粉末煎茶(粉末茶)を使った焼酎の緑茶割り使う焼酎は、香りの少ないものが適しています。(乙類焼酎よりも甲類焼酎の方が相性の良い焼酎が多いです)


1. 煎茶のカテキンについて
(1)煎茶に含まれるカテキンの量
粉末煎茶は煎茶を粉末にしたもので、見た目は抹茶に似ておりますが、抹茶と比較してタンニン(カテキン(※1))を多く含んでおります。
種類 | タンニン |
---|---|
煎茶(100g) | 13.0g |
抹茶(100g) | 10.0g |
(※1)「 タンニンとは、皮をなめす作用のある植物成分に与えられた名称ですが、カテキンは、化学的に一定の構造をもつものの名称です。 茶葉に含まれるタンニンの85%以上が、カテキンに属する物質ですので、茶では、タンニンといえば、カテキンのことであるといっても、ほとんど同じということもできます」
出典: 公益財団法人 世界緑茶協会ホームページ
(https://www.o-cha.net/teacha/kagaku/catechin.html)
(2)脳の老化を防ぐ可能性
「緑茶中のカテキンは主にEGCGとその代謝分解物が主要な成分として脳に作用し,神経細胞の分化を高めることにより脳の老化を予防しているものと考えられる」
やぶきた茶に比較的多く含まれているカテキンは、「エピガロカテキンガレート」(EGCG)ですが、その効能を調てみたところ、脳の老化を防ぐ可能性があることが分かったそうです。
出典: 海野けい子「緑茶カテキンが脳の老化を予防する」(日本農芸化学会) 化学と生物 Vol. 58, No. 11, 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/58/11/58_581005/_pdf/-char/ja
2. 煎茶のカフェインについて
カフェインの摂りすぎれば体に悪いので、飲んでも大丈夫であろうという目安の量をここで取り上げたいと思います。
種類 | カフェイン |
---|---|
煎茶(100g) | 2.3g |
抹茶(100g) | 3.2g |
(1)1度に飲んでも大丈夫であろうといわれているカフェインの量
「健康な成人では、カフェイン摂取量が 1 回当たり 200 mg(体重 70 kg の成人の場合:
約 3 mg/kg 体重)であれば急性毒性の懸念は生じない。また、同量のカフェインは
通常の環境条件下における激しい運動の前 2 時間以内に摂取しても健康リスクへの
懸念は生じない」
出典: 内閣府ホームページ(http://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf(p.2))
(2)1日に摂っても大丈夫であろうといわれているカフェインの量
健康な成人が摂っても悪影響がないと考えられるカフェインの最大摂取量は 400 mg /日です。粉末煎茶1gに付き、23mg(0.023g)のカフェインが含まれていますので、400㎎のカフェインを含む量の粉末煎茶は17.4g程度になります。
妊婦や子供については、もっと少なくした方がよいようです。
下表を参考としていただければと思います。

(3)食品別カフェイン濃度
煎茶は20mg/100mlですが、粉末煎茶は茶葉を全て摂ることになりますので、茶葉自体のカフェイン量で考える必要があります。
食品分析表によれば、100gの煎茶に含まれる標準的なカフェインの量は2.3gですが、粉末煎茶に含まれている量を超えるカフェインが粉末煎茶から溶け出ることはあり得ませんので、100gあたりに含まれるカフェインの量は2.3g以下と考えてよいと思います。

お茶を飲んでホッとするのはカフェインの効果ですので、上記の資料を参考にして、飲み過ぎに気を付けて楽しむのがよいのではないかと思います。
3.その他
緑茶摂取と全死亡リスクおよびがん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患及び外因死を含む主要死因死亡リスクとの関連を調べた結果、緑茶を習慣的に摂取する群において、以下のことがわかったそうです。
①男女の全死亡リスク及び心疾患リスクの減少
②男性の脳血管疾患及び呼吸器疾患による死亡リスクの減少
※当該研究ではお茶とがん死亡については有意な関連は見られていません。
出典: 国立がんセンターホームページ(https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3526.html)